こんにちは。
今回は好きな漫画のレビューをします。
クライミングをテーマにした「孤高の人」です。
たまたま立ち読みで読んだシーンが強烈に印象に残り、帰ったあとすぐに調べて全巻揃えました。
思いもよらず、面白い漫画に偶然出会う感動や素晴らしさってありますよね。
私はこの漫画が大好きで、漫画に影響されてボルダリングをしてみたり、子供と登山してみたり、山岳映画を観まくったりしました。
このレビュー記事で漫画のファンが増えてくれると嬉しいですし、私がコンビニで体験したようなキッカケになれたら幸いです。
記事の内容(もくじ)
「孤高の人」作品のあらすじ
「孤高の人」とは、新田次郎氏の小説を原案にしたクライミング漫画です。
ざっくりあらすじを紹介します。
転校生の主人公「森 文太郎」は、クラスメイトの「宮本 一」にけしかけられ、校舎の壁を登るところから物語が始まります。
文太郎は命がけで校舎の壁を見事に登りきるのですが、一歩間違えれば死んでいたかもしれないという強烈な体験から、クライミングの世界にのめりこんでいきます。
クライミングを始めてから、色々な事件も起こるのですが、クライミングにどんどんハマり大人になっても続けています。
そんなたくさんの経験を経た文太郎の最終目標は人類未踏の「K2東壁」を登ること。
第一巻の表紙の裏は、K2からの眺めで始まっています。
第一話から手に汗にぎる展開で、何度読み返しても一気に読み進めたくなる漫画です。
またコミックスは全17巻で完結しており、読み切るには丁度よいボリューム感となっています。
続いて、魅力を紹介していきます。
魅力①絵がめっちゃ綺麗。画力が凄い
表紙から最初の数ページを見てもらうと分かりますが、画力が圧倒的です。
美しい自然、人の表情、服の書き方など、どのシーンの描き方も素晴らしい。
表情に迫力や魂がこもっていて、私は特に好きです。精神状態を上手く表情に表しているというか。

出典:坂本眞一「孤高の人 第1巻」
稚拙な表現でスイマセン。実物を見てもらうのが一番良いですね。
魅力②表現がユニークで素晴らしい
読者が場面をより具体的にイメージしやすいように、所々ユニークな表現が使われて描かれています。
私が好きなシーンは以下の2つ。
他にもめちゃくちゃたくさんあるんですが、紹介しきれないので少しだけ。
▼氷塊が落ちてくるシーンをトラックやビルの崩壊で表現

出典:坂本眞一「孤高の人 第14巻」
▼美しい朝焼けをオーケストラのように表現

出典:坂本眞一「孤高の人 第6巻」

出典:坂本眞一「孤高の人 第6巻」

出典:坂本眞一「孤高の人 第7巻」
このような感じで、様々なシーンを何かに例えて表現するセンスが抜群です。
たった数枚の切り取りはとても伝わらないと思いますが、感動します。
また、巻数が進むにつれてどんどん説明文がカットされていき、最後の方になるともう漫画というよりアートの世界です。
魅力③サブキャラクターの人間味
登場するサブキャラクターたちみんな、人間の闇の部分をしっかり描かれています。
目を背けたくなる気持ちにりますが、「これが人間の本性だよな・・・」と納得してしまう。
好きなキャラたちを3人ほど。
私は建村が一番好きです。
①建村 歩
②白井 夕実
③宮本 一
たくさん紹介したいシーンがありますが、ひとつだけビフォーアフターを貼っておきます。
▼ビフォー

出典:坂本眞一「孤高の人 第1巻」
▼アフター

出典:坂本眞一「孤高の人 第10巻」
純真だった白井ですけど、こんな感じになっちゃいました。
こういった変化もリアル感があって好きです。
魅力④読者の感情を揺さぶられる
本能に訴えるシーンがあちこちにあり、とにかく感情を揺さぶられます。
▼私が立ち読みでこの漫画にハマるキッカケになったシーン

出典:坂本眞一「孤高の人 第15巻」
この1シーンは、主人公と建村がザイルを組んでK2にアタックしているときに、氷塊が崩壊してきて死の危機に直面しているところです。
建村の「死にたくない、生きたいー。」という強い本能が描かれています。
正直、ここだけ切り取ってもまったく意味不明ですよね。
私はこのシーンひとつに、人の欲望、生存本能みたいなモノを強く感じました。
死を感じるような極限状態を体験したことはないですが、漫画で少しだけ疑似体験した気持ち。
こういう極限で表れる感情こそ、人間の本能だと思う。
じっくり読むほど、それぞれのシーンの味わいが深い。
アート作品をみているように、自分の中で答えを作っていく感じ。
厨二病くさすぎてスイマセン。
まとめ
以上、簡単にですが漫画「孤高の人」を語ってきました。
魅力伝わったでしょうか??
まとめると
冒頭でも書きましたが、この漫画を読んだあと、山やクライミング関係にかなり興味をもつようになりました。
ボルダリングをしてみたり、登山にいってみたり・・・などなど。
これだけ自分の行動を変えた漫画は、過去なかったと思います。
とりあえず1巻だけでも読んでみてはいかがでしょうか?
おすすめの映画はこちらあたり。
・運命を分けたザイル
・MERU
・アイガー北壁
・エベレスト
それでは今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今日もよい1日を~!!