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クライミング漫画「孤高の人」の感想。一気読みしてしまう面白さ!

2021年5月12日

 

好きな漫画のレビュー。

 

クライミングをテーマにした作品「孤高の人」です。

 

結論から言うとめちゃ面白くて自分の中で大ヒット。

特に良かったのは人間心理描写や絵の綺麗さ。登山はもはやアートなんだなと思う内容でした。

 

この漫画に出会ったのは、たまたまコンビニで立ち読みしたシーンが強烈に印象に残りすぐに詳しく調べて全巻揃えました。

 

思いもよらず面白い漫画に偶然出会う感動や素晴らしさってありますよね。

 

わたしはこの漫画が大好きすぎてボルダリングを始めてみたり、子供と登山してみたり山岳映画を観まくったりしました。

 

このレビューで漫画のファンが増えてくれると嬉しいですしわたしがコンビニで体験したようなキッカケになれたら幸いです。

 

 内容(もくじ)

 

「孤高の人」作品のあらすじ

「孤高の人」とは、新田次郎氏の小説を原案にしたクライミング漫画です。

 

ざっくりあらすじを紹介します。

転校生の主人公「森 文太郎」は、クラスメイトの「宮本 一」にけしかけられ、校舎の壁を登るところから物語が始まります。

文太郎は命がけで校舎の壁を見事に登りきるのですが、一歩間違えれば死んでいたかもしれないという強烈な体験から、クライミングの世界にのめりこんでいきます。

クライミングを始めてから、色々な事件も起こるのですが、クライミングにどんどんハマり大人になっても続けています。

そんなたくさんの経験を経た文太郎の最終目標は人類未踏の「K2東壁」を登ること。

第一巻の表紙の裏は、K2からの眺めで始まっています。

 

第一話から手に汗にぎる展開で何度読み返しても一気に読み進めたくなる漫画。

コミックスは全17巻で完結しており読み切るには丁度よいボリューム感です。

 

続いて魅力を紹介していきます。

 

魅力①絵がめっちゃ綺麗。画力が凄い

 

表紙から最初の数ページを見てもらうと分かりますが画力というか迫力が圧倒的

 

  • 美しい自然
  • 人の表情
  • 服の書き方

など、どのシーンの描き方も素晴らしい。

 

表情に迫力や魂がこもっていて好きです。

精神状態を上手く表情に表しているというか命を感じる。

出典:坂本眞一「孤高の人 第1巻」

 

魅力②表現がユニークで素晴らしい

 

読者が場面をより具体的にイメージしやすいように所々ユニークな表現が使われて描かれています。

 

わたしが好きなシーンを以下の2つだけ紹介。

他にも沢山好きなシーンはあるんですが紹介しきれないので少しだけ。

 

▼①登攀中に氷塊が落ちてくるシーン

出典:坂本眞一「孤高の人 第14巻」

氷塊が落ちてくるのはトラックやビルが崩壊して落ちてくるのと同じという表現。

こんなん避けられる方が幸運です。

 

▼②美しい朝焼けを眺めるシーン

出典:坂本眞一「孤高の人 第6巻」

出典:坂本眞一「孤高の人 第6巻」

出典:坂本眞一「孤高の人 第7巻」

美しい朝焼けはまるでオーケストラのようだったと表現。

 

こんな感じで様々なシーンを何かに例えて表現するセンスが抜群。

 

たった数枚の切り取りではとても伝わらないと思いますが読んでて感動する。

じぶんもこんな風に感じてみたいなと心底思います。

 

ちなみに物語終盤は説明文がどんどんカットされていき最後の方は漫画というよりアートの世界です。

 

魅力③サブキャラクターの人間味

 

登場するサブキャラクターたちは人間の闇の部分をしっかり描かれています。

 

目を背けたくなる気持ちにりますが

「これが人間の本性だよな・・・」

と納得してしまう。

 

わたしの好きなキャラを3人だけ紹介。

わたしはサブキャラでは建村が一番好き。

 

①建村 歩

  • 森に憧れてクライマーになった
  • 山と夕実に魅せられて人間を捨てる

 

②白井 夕実

  • 高校の同級生でヒロイン
  • 主人公を肯定しいつも応援していた
  • 不運から夜の世界へ
  • からの玉の輿で復活

 

③宮本 一

  • 主人公がクライミングや山にハマるキッカケを作った張本人
  • 高校時代は良きライバル良き友人
  • 大西先生を失ってから?クズ化(精神的な支えを失ったから??)

 

たくさん紹介したいシーンがありますがひとつだけビフォーアフターを貼っておきます。

ヒロイン「白井 夕実」

▼ビフォー

出典:坂本眞一「孤高の人 第1巻」

 

▼アフター

出典:坂本眞一「孤高の人 第10巻」

 

純真だった白井ですけどこんな感じになっちゃいました。

こういった変化もリアル感があって好き。

このゴミを見るような表情とギャップがありすぎるメール文章が好き。

 

魅力④読者の感情を揺さぶられる

 

本能に訴えるシーンがあちこちにありとにかく感情を揺さぶられます。

 

▼わたしが立ち読みでこの漫画にハマるキッカケになったシーン

出典:坂本眞一「孤高の人 第15巻」

 

このシーンは主人公と建村がザイルを組んでK2にアタックしているときに、氷塊が崩壊してきて死の危機に直面しているところです。

 

建村の

「死にたくない、もういちど夕実を抱きたい、生きたいー。」

という強い本能が描かれています。

 

 

わたしはこのシーンひとつに

「人の欲望」「生存本能」

のようなモノを強く感じました。

 

 

死を感じるような極限状態を体験したことはないですが漫画で少しだけ疑似体験した気持ちになりました。

 

こういう極限で表れる感情こそまさに人間の本能だと思う。

じっくり読むほどそれぞれのシーンの味わいが深い。

アート作品をみているように自分の中で答えを作っていく感じ。

 

 

まとめ

 

魅力伝わったでしょうか??

 

まとめると

  • 人間の本能に訴える
  • 登山の魅力がわかる
  • 主人公の苦悩と成長を共に感じる
  • 人間の善と悪や光と闇をしっかり描かれている
  • 漫画というよりアート

 

冒頭でも書きましたがこの漫画を読んだあと、山やクライミング関係にかなり興味をもつようになりました。

ボルダリングをしてみたり登山にいってみたり・・・などなど。

これだけ自分の行動を変えた漫画は過去になかったと思います。

 

とりあえず1巻だけでも読んでみては?


 

読み終わったあとはこれが欲しくなる。


 

このジェットボイルでお湯を沸かして海岸沿いで伸びたカップラーメンを食いたい。

ジェットボイルは入手済。

 

 

おすすめの山岳関連映画はこちら。

特に運命を分けたザイルはクソおすすめ。凄すぎる。

 

今回は以上!

 

 



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